色々描き散らしてます
Posted by 椎名健太郎 - 2010.10.23,Sat
トレースや素材画像の無断使用の騒動に関して、ちょっと思うこと
最近よくこの話題を目にしますので、個人的に思うこと
擁護する意図ではもちろんありませんが、素材の転用はともかく、トレースに関しては業界そのものが抱えている問題の影響も少なからずあると考えています
たとえば、発注段階で先方から「○○のように/このように描いてください」と資料を渡されるケースがありますが、その資料の中に素材や検索サイトにクレジットされてる画像が添付されることがあります
商業絵に関しては、恐らくユーザーが考えているほど作画の自由度は高くなくて、実体験ですけれど、構図やポーズ、服装や表情まで細かく指定されるケースは少なくありません この辺りにも画家やアーティストとは一線を画す絵描きというお仕事のアイデンティティがありますね
参考資料をそのまま作画に起こしてしまうかどうかは絵描きとしてのプライドや気概といった精神論、さらには描き手の持つ技術とも関わってくるのでしょうけれども、案件によってはそうした感情や技術を抑え、そうせざるをえないという状況もあるものです
「私はそういうの嫌だからそれは描きません」とは言えない、もしくは極めて言いにくいという、絵描きの置かれた社会的立場というものがそこにはあります(肯定しているわけではもちろんありません)
絵描きは一つの職種ですので、社会の仕組みの中で制限されるアレコレは、やはり、ある
加えて、こういった業界そのものが抱える著作権や肖像権、特許等に関する意識の低さ、発注という事務的作業が内包しうるエスカレーター的なトレース等々への誘惑、絵描き自身の意識の低さ、そして絵描きはあくまで技術職であってそれ以上でも以下でもないという社会的立場などなど
個人的には、そういった諸々の事情が、定期的に話に上がるトレースや○○騒動を起こしているんじゃないかなあと考えています
もちろん、ファンの方々を裏切ってしまったという事実には変わりありませんし、応援して下さる方がいるからこそのお仕事でもありますから、それに関してのペナルティは受けるのが望ましいでしょう
過剰な誹謗中傷や私怨は論外ですが、絵描き本人の意識だけではなく、まわりからもそうした行為は一切支持しないという世論を形成するのはとても大事なことです
絵描きは、社会的には技術職でも、一方で人によってはこうしたアイドル的な側面があるから難しいのだと思います
こうして見ると、絵描きという職種が持つ、特に社会的な意味での問題点や改善すべき点が見えてきます
絵を描く人間という立場を差し引いたとしても、少なくともこれらの全責任を一介の描き手に負わせるのは公正とは言い切れないんじゃないでしょうか・というのが自分の考えです
では誰の責任か? と問われると、分からないというのが正直なところです…絵描きの責任でもあるし、そうさせた先方にも責任がないとは言えないし、システムに改善の余地がないのかと言うと、必ずしもそうではない
結局時間をかけて少しずつ環境を変えていくしかないのかもしれません
と同時に、自分も描き手としての意識や知識を高めていかなければならないと改めて感じました
もともと多種多様な価値観が集まる業界なので、非常にコンセンサスを作りにくい場所だとは思います
でも、というかだからこそ、そろそろ絵描きを対象にしたフォーラムや勉強会が開かれてもいいと思うんですよね
ただ、やはり中心になってくれる人がいない……
技術はすごい人がたくさんいらっしゃいますが、それ以上に業界を引っ張っていってくれるだけの知識とパワーを持ち合わせている人がいません 絵描き業界は今深刻な人材不足です;
なにやら最後の方は話がそれてしまいましたが、騒動を見るたびにそんなことを感じていたので、良い機会ですからまとめてみました
擁護する意図ではもちろんありませんが、素材の転用はともかく、トレースに関しては業界そのものが抱えている問題の影響も少なからずあると考えています
たとえば、発注段階で先方から「○○のように/このように描いてください」と資料を渡されるケースがありますが、その資料の中に素材や検索サイトにクレジットされてる画像が添付されることがあります
商業絵に関しては、恐らくユーザーが考えているほど作画の自由度は高くなくて、実体験ですけれど、構図やポーズ、服装や表情まで細かく指定されるケースは少なくありません この辺りにも画家やアーティストとは一線を画す絵描きというお仕事のアイデンティティがありますね
参考資料をそのまま作画に起こしてしまうかどうかは絵描きとしてのプライドや気概といった精神論、さらには描き手の持つ技術とも関わってくるのでしょうけれども、案件によってはそうした感情や技術を抑え、そうせざるをえないという状況もあるものです
「私はそういうの嫌だからそれは描きません」とは言えない、もしくは極めて言いにくいという、絵描きの置かれた社会的立場というものがそこにはあります(肯定しているわけではもちろんありません)
絵描きは一つの職種ですので、社会の仕組みの中で制限されるアレコレは、やはり、ある
加えて、こういった業界そのものが抱える著作権や肖像権、特許等に関する意識の低さ、発注という事務的作業が内包しうるエスカレーター的なトレース等々への誘惑、絵描き自身の意識の低さ、そして絵描きはあくまで技術職であってそれ以上でも以下でもないという社会的立場などなど
個人的には、そういった諸々の事情が、定期的に話に上がるトレースや○○騒動を起こしているんじゃないかなあと考えています
もちろん、ファンの方々を裏切ってしまったという事実には変わりありませんし、応援して下さる方がいるからこそのお仕事でもありますから、それに関してのペナルティは受けるのが望ましいでしょう
過剰な誹謗中傷や私怨は論外ですが、絵描き本人の意識だけではなく、まわりからもそうした行為は一切支持しないという世論を形成するのはとても大事なことです
絵描きは、社会的には技術職でも、一方で人によってはこうしたアイドル的な側面があるから難しいのだと思います
こうして見ると、絵描きという職種が持つ、特に社会的な意味での問題点や改善すべき点が見えてきます
絵を描く人間という立場を差し引いたとしても、少なくともこれらの全責任を一介の描き手に負わせるのは公正とは言い切れないんじゃないでしょうか・というのが自分の考えです
では誰の責任か? と問われると、分からないというのが正直なところです…絵描きの責任でもあるし、そうさせた先方にも責任がないとは言えないし、システムに改善の余地がないのかと言うと、必ずしもそうではない
結局時間をかけて少しずつ環境を変えていくしかないのかもしれません
と同時に、自分も描き手としての意識や知識を高めていかなければならないと改めて感じました
もともと多種多様な価値観が集まる業界なので、非常にコンセンサスを作りにくい場所だとは思います
でも、というかだからこそ、そろそろ絵描きを対象にしたフォーラムや勉強会が開かれてもいいと思うんですよね
ただ、やはり中心になってくれる人がいない……
技術はすごい人がたくさんいらっしゃいますが、それ以上に業界を引っ張っていってくれるだけの知識とパワーを持ち合わせている人がいません 絵描き業界は今深刻な人材不足です;
なにやら最後の方は話がそれてしまいましたが、騒動を見るたびにそんなことを感じていたので、良い機会ですからまとめてみました
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プロフィール
HN:
椎名健太郎
HP:
性別:
男性
趣味:
絵・園芸・言語・文学など
自己紹介:
フリーのイラストレーター
作業環境:Windows, マウス, PhotoShop, AfterEffects, Vegas, Blender
原画はコピック、アクリル、色鉛筆、トーンからベタまで
+お仕事関係+++
絵仕事のご依頼・ご相談は下記のメールアドレスまでお願い致します
siina.kentarou★jcom.home.ne.jp
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